LDKって何?サービスルームって?注文住宅のプラン用語解説
注文住宅を建てる際、プランの検討がはじまると「?」と思う言葉が飛び交うことがあります。
疑問に思ったり、不明な言葉を聞いた際は、都度確認することが大切ですが、確認することを遠慮してしまう人も少なくないでしょう。
知らずに話を合わせていると、思い通りの家が建たないという事態に発展することがあるので、必ず確認した上で、施主として、事前にある程度言葉を知っておくことも大切です。
今回は、部屋の名称から、専門用語まで、プラン検討の段階で知っておきたい用語を紹介します。
プラン検討の「?」を減らすために、お役立てください。
プランニングで知っておきたい!基本用語&専門用語
プランニングの際によく聞く上に意味がわかりにくい言葉を確認しましょう。
・プラン
そもそも「プラン」って何だろう?
と考える人も少なくないでしょう。
プランとは、家の概要計画のことで、敷地に対する建物の位置や、建物内の部屋の配置のことを言います。
「間取り」が部屋の配置だけを表すのに対して、プランは平面も高さも奥行も含めた3建物の概要を表現する言葉です。
プランニングとは、プランを考えることを言います。
・居室(きょしつ)
作業、執務、居住のために長い時間過継続的に過ごす部屋のことです。
リビング・ダイニング・寝室・子ども部屋・書斎などが該当します。
居室とするためには、規定で定められた十分な換気、採光等の確保が必要になります。
・LDK(エルディーケー)
リビング(居間)・ダイニング(食事室)・キッチン(台所)が一体になった空間のことです。
ダイニング・キッチンのみの空間を「DK」と言います。
「3LDK」という表現がありますが、これは「LDK」のほかに3部屋居室があるという意味です。
・サービスルーム、納戸
ある程度の広さがありながら、採光や換気が得られず、法律上居室として扱えない部屋を表す言葉です。平面図では「S」と表現することもあります。
部屋の位置や、使用方法によって、歩いて入れる収納という意味で、「ウォークインクロゼット」とも呼ばれます。
・ユーティリティー
家事室のことです。
部屋にせず、洗濯やアイロン、裁縫などを行うためのちょっとしたスペースとして設けることもあります。
キッチンや洗面室など、家事が行われる場所に隣接させると便利です。
・シューズインクロゼット
玄関に隣接して設けられる収納スペースです。床を玄関同様の仕上げにして、靴のまま進入できるようにすることで、靴、傘、コート、アウトドアグッズなどを便利に収納できます。
・パントリー
食品庫のことで、食器や食品ストックを保存するために、キッチンに隣接した収納スペースです。
日当たりが強くなく、適度な通気がとれて、室温が一定になるようにします。
・吹き抜け
上階に床を設けず、開放したスペースのことです。
開放感の演出に役立ちます。
・天袋(てんぶくろ)
天井近くに設けられた収納スペースのことです。
押し入れの上部に設けられることが多いです。
・地袋(じぶくろ)
窓下などに設けられた背の低い収納スペースのことです。
・ロフト
一般的に居室の一部を二層にした上部空間のことを言いますが、「屋根裏収納」「グルニエ」も同じ意味で使われます。
建築基準法上では「小屋裏物置等」という扱いでひとくくりにされます。
・テラス
1階部分に建物から庭に張り出して設けられる空間のことを言います。
・ベランダ
2階以上で建物から外に張り出して設けられる空間で、上部に屋根があるものを言います。
・バルコニー
2階以上で建物から外に張り出して設けられる空間で、上部に屋根がないものを言います。
建物の屋根をバルコニーにしているものを「ルーフバルコニー」と言います。
・サービスバルコニー
キッチンやユーティリティーに隣接して設けられる小さなバルコニーのことです。
フキンを干す、ゴミを置くなど、副バルコニーとして使われます。
・ニッチ
英語で「くぼみ」を意味して作られる言葉で、壁をへこませてつくられるスペースのことです。
小物や絵を飾ったり、インターホンの親機や床暖房、給湯器のリモコンをまとめて設置する場所として設けられます。
・パイプスペース
平面図上で「PS」と表現され、給水管、排水管、ガス管などの配管スペースのことを言います。
住宅では、2階の配管を1階に降ろすために設けられ、配管をまとめることで点検がしやすい、などのメリットがあります。
知っておきたい!プランニングの専門用語
さらに知っておくと便利な専門用語について解説します。
・1畳、1帖(いちじょう)
畳1枚分のことで、部屋の広さを表す単位として使われます。
一般的に、1畳=1.62m2ですが、不動産の表示に関する規定では「1.62m2以上」と決められているため、地域や建築会社によって広さが異なります。
・1坪(ひとつぼ)
尺貫法と呼ばれる面積の単位です。
1坪=約3.3m2で、畳2枚分=1坪とされます。
・1間(いっけん)
尺貫法と呼ばれる長さの単位です。
1間=約1.8mで、一般的な1畳の長編の長さとされます。
・間口(まぐち)
建物や土地において道路に面した方向(メインとなる方向)の幅のことです。
建具や部屋の幅を表現する際にも使われます。
・動線(どうせん)
建物を使う際に予想される人の動きのことです。
プランニングの際は、家事をするための「家事動線」、目覚め~出勤までの「出勤動線」など、家族のいろいろな動きを想定して検討することが大切です。
・24時間換気
機械換気を使って、24時間365日、常に換気を行うシステムのことです。
現代の住宅は、気密性が高くなっているため、換気不足による空気の汚れや、シックハウス症候群を防ぐことが目的で、2003年から義務化されました。
一般的な住宅では、各部屋やキッチンに給気口が設けられ、トイレの換気扇から計画換気されます。
・延焼のおそれのある部分
近隣で火災が発生した場合、延焼の被害を受けるおそれのある部分のことです。
1階は、隣地境界線若しくは道路中心線から3m以内、2階以上は5m以内になる部分のことを言います。
・軒高(のきだか)
敷地の地盤面から、軒部分の構造体の上端までの高さのことです。
高さに応じて、防火や高さ制限の対象となります。
・屋根勾配
屋根の傾斜のことです。
屋根材の種類や、雨量、積雪量、屋根の広さ、デザイン性、メンテナンス性など、あらゆる面を考慮して検討されます。
・母屋下がり(もやさがり)
高さの制限によって、一部の桁が他の桁より下げられた状態になることです。
部屋の天井が一部斜めになるため、建具の高さやエアコンや照明の取り付け位置に注意が必要です。
・建築面積
建物の水平投影面積のことで、1階の床面積と同等になることが多いです。
建ぺい率を計算する際に使われる数値です。
・延床面積(のべゆかめんせき)
建物の全ての階の床面積を合計した面積のことです。
建物の広さを表現する際や、容積率を計算する際に使われます。
・建ぺい率
敷地面積に対する建築面積の割合のことです。
建ぺい率の制限は、都市計画区域内の敷地において定められています。
建築面積÷敷地面積で求められます。
・容積率
敷地面積に対する延床面積の割合のことです。
容積率の制限は、建ぺい率と同様に都市計画区域内の敷地において定められています。
延床面積÷敷地面積で求められます。
・前面道路(ぜんめんどうろ)
敷地に接する道路の中で、接している距離が一番長い道路のことを指します。
・セットバック
建築基準法では、道路幅員4m以上の道路に2m以上接しなければならないという決まりがあります。(接道義務)
この決まりを守れない場合、新築ができませんので、敷地を一部削り、前面道路の幅員を広げる「セットバック」が必要になります。
・真北(しんぼく)
北極点を指す方向のことで、高さ制限の「北側斜線」を求めるために調べ、図面に記載されます。
・北側斜線制限(きたがわしゃせんせいげん)
それぞれの住宅が日照・採風・通風を得るため、建築基準法で定められた制限のことです。
敷地の隣地境界線から真北方向に掛かってきます。
・道路斜線制限(どうろしゃせんせいげん)
建築物から、道路の日照・採風・通風を守るために、建築基準法で定められた制限のことです。
接する道路の反対側の境界線から、道路の中心高さで掛かってきます。
・緩和
一定の条件を満たすと、建築基準法で定められた高さの制限や、広さの制限を緩和できることがあります。
部屋の名称から、専門用語まで、プラン検討の段階で知っておきたい用語を解説しました。
家づくりでは、聞きなれない専門用語が多く使われるため、困惑することもあると思います。
事前に知識を得た上で、不明点はその場で解決しましょう。
「?」が残らないようにして、後悔のない家づくりに繋げられるといいですね。
執筆者

◆ 執筆者プロフィール ◆
佐藤結伽
2級建築士。
横浜市の総合建設会社にて、主に木造住宅の設計に携わる。
退職後、作図業務等を委託しながら2人娘の育児にも奮闘している。
最近、自邸の建設をし注文住宅を購入する事の素晴らしさと、大変さを身をもって経験した。