木造住宅の建替え。解体工事の手順と費用、業者選定のポイントを解説します
中古住宅付きの土地を購入されたり、現在お住まいの家を取り壊して新しい住宅を建てる計画をされている場合、計画地に現存する建物を解体・撤去する必要があります。
これを解体工事と言います。
この記事では、解体工事の基本的な情報と業者選びのポイントをお伝えします。
解体工事の手順と気になる費用
解体工事を依頼する業者を施主自身で選定する場合、見積もりを依頼する必要があります。
ですから、解体工事で最初に行う手続きは業者への見積もり依頼ということになりますね。
見積もり依頼は、建替えを検討しはじめた時~プラン決定(確認申請前)までに済ませるようにしましょう。
焦って決めることのないように、期間に余裕を持っておくことをおすすめします。
木造2階立て住宅の解体費用の相場は、1坪3万円と言われています。
この他に廃棄物の処分費や、足場・養生費、諸経費が加算され、解体工事の見積りは計上されるので、木造2階建て住宅を解体すると150万円~費用が掛かってくるのが一般的です。
解体にはなるべく費用を掛けたくない!と考えたくなってしまいますが、廃棄物等を正しく処理する業者であればこれだけの費用は掛かってしまうでしょう。
何社かに依頼をすると、解体工事費の相場や対応の優劣が把握できるので安心ですよ。
見積りに納得した上で解体業者と契約を結び、いよいよ解体工事が始まるのですが、 解体工事の手順は一般的に以下の手順で進みます。
近隣挨拶→作業足場設置→飛散防止シートや養生設置→人力で解体→重機で解体→基礎解体→整地作業
随時、発生したゴミの運び出しとトラックでの運搬が行われます。
木造2階建て住宅の場合、期間は約2週間ほどです。
解体は、騒音やほこり等の近隣トラブルの原因となる要素の非常に多い工事です。
何度もトラックが往来することになりますし、近隣への注意喚起も必要不可欠となりますので、しっかりと近隣の方への気配りやケアのできる業者に依頼したいですね。
可能であれば施主も着工前に挨拶を行っておくと丁寧ですよ。
解体業者による近隣トラブルもあるので業者選びには十分注意が必要です!
業者の選び方!3つのポイントから確認しましょう
近隣の方への気配りやケアのできる業者に依頼したいですね。
と書きましたが、業者選びは見積を提出してもらい、決められた期間内で行う必要があります。
具体的に業者選びの際はどの様なポイントに注目したら良いか、選定の際に確認しておきたい3つのポイントをまとめましたので、参考にしてみてくださいね。
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(計画地の)地元の業者
解体工事は、出たゴミを処分する際にもお金が掛かりますし、作業員が現場に赴く際にも費用がかかるものです。ですから、計画地の近隣の業者の方が経費を抑えられるメリットがあります。
そして、地元に根付いた経営を行っている業者は評判を大切にしますので、決して無責任なことはしないはずです。
・ 解体工事完了後に廃棄物の処理証明を発行しているか?
産業廃棄物の不法投棄を防ぐために、業者は、ゴミ捨ての管理をマニフェストと言う産業廃棄物処理証明によって行っています。
例え小規模の住宅であっても、マニフェストは必ず発行されるものです。
正しくゴミが処理されず、不法投棄等の違反行為が確認された場合は、業者だけでなく施主にも前科と罰則が科せられる怖い事態になる可能性もあるので、見積り依頼の際には、マニフェストが発行されるかを必ず確認しましょう。
・資格を持った会社か?
解体工事は危険が伴う工事ですので、万が一のトラブルに備えた保険に加入していたり、資格を持った業者にお願いしたいものです。
最低でも労働災害保険、建設業許可及び産業廃棄物収集運搬業の許可を取得している会社に依頼をするようにしましょう。
私個人としては、解体業者は施主が選定せずに、住宅を建設する施工会社に紹介してもらうか、施工会社に一切をおまかせしてしまうことが一番安心かと思います。 費用面、近隣対応、解体後の整地等をトータルして施工会社の責任の元で管理してもらった方が、その後の建設工事への移行もスムーズに行えますので・・・。
また、思い出が詰まった住宅の解体されていく姿は、何とも切ない光景であります。
思い出の住まいを解体される場合は、解体前に記念撮影をしたり、今まで家族を守ってくれていた家に充分感謝を伝えておきたいですね。
執筆者

◆ 執筆者プロフィール ◆
佐藤結伽
2級建築士。
横浜市の総合建設会社にて、主に木造住宅の設計に携わる。
退職後、作図業務等を委託しながら2人娘の育児にも奮闘している。
最近、自邸の建設をし注文住宅を購入する事の素晴らしさと、大変さを身をもって経験した。