◆設計、施工、協力業者ってどういうこと?知っておきたい建築会社の仕組み

設計、施工、協力業者ってどういうこと?知っておきたい建築会社の仕組み

 

 

家づくりをする際に、実際どのような職種の人が、どのように関わって家ができるのか理解している人は少ないです。

家づくりに関わる人と、その仕事の内容を理解しておくと、今、どのようなことが進められているのかわかるようになり、家づくりをもっと楽しめるようになります。

今回は、注文住宅建築の実務に関わる人たちと、その仕事の内容について解説します。

 

住宅はどうやってできる?家づくりの仕組みを解説

 

注文住宅建築は、ざっくりと次の手順で進められます。

  1. 要望確認
  2. 敷地調査
  3. プラン検討
  4. 設計契約
  5. 地盤調査
  6. 最終プラン、金額検討
  7. 工事契約
  8. 実施設計
  9. 確認申請
  10. 着工
  11. 完了検査
  12. 竣工お引渡し

この流れの中で、建築家・現場監督・協力業者が力を合わせて家づくりを行います。

それぞれのざっくりとした役割は、以下の通りです。

建築家

どんな家にするか、施主(建て主)からの要望や予算をもとに設計を行います。

建築基準法に基づいて、違反がなく安全な建築物になっているかのチェックも行います。

設計内容は設計図にまとめ、工事が始まると、図面通りに工事が進んでいるか確認する現場監理も行います。

現場監督

工事のスケジュール(工程)を考え、予算オーバーせず適切な利益を生み出せるように調整しながら、求められる品質の住まいを作るため、工事現場を管理します。

現場の安全を守り、近隣とコミュニケーションをとり、円滑に工事が進められるようにするのも現場監督の仕事です。

協力業者

実際に手先や身体を動かして、工事を行います。

業種によってさまざまな協力業者があり、解体、地盤改良や、基礎工事、大工工事、内装工事、設備工事など、それぞれ違った技術を持った会社が協力して家づくりは進められます。

それぞれの仕事内容について、以下から詳しく解説します。

 

注文住宅づくりで、建築家のお仕事ってどんなこと?

 

注文住宅を作る際、建築家は「設計監理」とよばれる仕事を行います。

設計監理とは、設計の仕事と監理の仕事が合わさってできていて、具体的な内容は次のようになっています。

ヒアリング

施主(建築主)の要望や予算を確認します。

家族構成や、家をつくる目的、こだわり、趣味、仕事内容など、詳しく確認します。

それぞれの家庭に合った住まいを考えるための情報を集め、まとめます。

敷地調査

実際に家を建てる土地を訪れ、確認します。

日当たりや広さ、お隣や道路との境界、周辺の道の幅、景観、雰囲気、電柱やマンホールの位置、勾配など、細かく確認します。

敷地の良さを最大限に発揮し、良くない部分はカバーできるような住宅を作るために、敷地調査はとても大切なことです。

プラン、概算見積もり作成

ヒアリングの情報と、敷地の情報、法規などを考慮して、どんな家を建てるか、間取りやデザインを考えます。

同時に、要望にもとづいて予算に合った概算見積もりを考えます。

納得がいくまで、打ち合わせを行い、プランや金額を煮詰めていきます。

基本設計

プランと金額が納得のいく形になったら、CADなどの作図ツールを使って敷地図、平面図、立面図などを作成します。

コノミハウスの場合、この時点で詳細な間取りやオプション製品などを含めた全体的な仕様の検討を行います。

詳細な部分を検討し、契約にむけて内容をさらに検討して、正式な見積書をつくります。

実施設計

家を建てるために、必要なことの全てを検討し、図面や仕様書などにあらわして行きます。

内装の色から、スイッチやコンセントの位置、収納棚の枚数まで、打ち合わせて決めます。

確認申請手続き

確認申請図と確認申請書類を作成します。

建築基準法に適合した建物になっているかチェックする「建築確認」を受けるために、作られます。

建築確認は、1週間以内に許可がおりる場合もあれば、2週間以上かかることもあります。

確認申請に必要な期間は、事前に調べ、だいたいの目途をつけておきます。

工事引継ぎ

施工を担う現場監督へ、基本設計図面と実施設計図面、議事録などをもとに引継ぎを行います。

今まで施主と行ってきた内容を全て確実に伝え、工事に反映してもらうために、とても大切なことです。

設計監理

着工後、建築家は「監理者」として工事に関わります。

工事監理とは、設計図通りに家づくりができているかの確認、現場監督との適宜打ち合わせ、竣工引き渡しの立ち合いなどを行います。

注文住宅づくりで、現場監督のお仕事ってどんなこと?

 

現場監督は「施工管理」という仕事を行います。

主に工事契約を結んでからが出番で、具体的な内容は次のようになっています。

工程管理

施主の要望に合わせて、工事のスケジュール(工程)を考えます。

協力業者の手配や、スケジュール調整、天気、近隣の状況を見ながら、臨機応変な対応をし、工程通りに工事が進められるようにする役割も担います。

品質管理

設計図で定められた品質(適切な耐久性、耐震性、防水性、断熱性などのあらゆる機能性)が保たれるよう、材料を適切に保管したり、工事の方法を指示したり、適切に工事が行われているかチェックを行います。

コスト管理

請負契約時の見積書をもとに、予算をオーバーしないようにしながら、適正な利益を生み出せるよう、工程や材料、工事方法などの管理を行います。

安全管理

工事現場をできる限り安全で清潔保ち、けが人や事故が起きないようにします。

危険の予測を行い、現場で作業する人に危険を周知するなど、工事現場で働く人や、周辺の住民が安心安全に過ごせるように安全を守ります。

円滑に工事を行うために

工事現場でトラブルが起きず、円滑に工事が進められるように、近隣とコミュニケーションを取るのも現場監督の仕事です。

近隣挨拶では、工事の始まりと完了時、騒音や安全対策が必要な工事の前に、工事現場周辺に挨拶まわりをします。

また、苦情や意見などの窓口になり、適宜対策を行います。

追加工事対応

工事が始まってからの追加工事について、施主の意見と設計者の意見を元に対応します。

見積書の作成や、商品選びの手伝い、手配などを担うこともあります。

竣工引き渡し

工事完了後、建築確認期間の「完了検査」に合格すると、晴れて竣工となります。

竣工引き渡しは、建築主へ出来上がった住宅を引き渡す場です。(竣工式が行われることもあります)

住まい全体の取り扱い説明や、設備機器の説明、動作確認、説明書の引き渡し、カギの引き渡しなどを行います。

 

協力業者って何?どんな仕事をしているの?

 

協力業者とは、実際に工事を行う職人さんのことを言います。

工事を請け負う施工会社とは別会社で、扱いとしては、下請け会社となります。

家づくりを行う協力業者は、工事の内容に伴ってさまざま。

施工会社は、スケジュールや予算、技術力など、工事の内容に合った協力業者を選定し、仕事を依頼します。

家づくりに関わる協力業者には、次の職種があります。

  • 解体工(こう)
  • 地質調査会社
  • 地盤改良工
  • 杭工
  • 墨出し工
  • 鉄筋工
  • 型枠工
  • 大工
  • 左官工
  • 塗装工
  • 断熱工
  • 防水工
  • 外装工
  • 瓦工
  • 板金工
  • 鉄骨工
  • ガラス工
  • 鋼製建具工
  • 木製建具工
  • 内装工
  • 住宅設備機器取付け会社
  • 畳店
  • タイル工
  • 家具工
  • 水道設備業者
  • 電気設備業者
  • ガス設備業者
  • 外構工
  • 庭師
  • 石材店
  • 産業廃棄物回収業者
  • 補修工
  • クリーニング業者
  • 警備員
  • 運送業者

それぞれの業者がリレーつなぎのように工事を行い、住宅は作られます。

この他にも、外部関係者として、式典を担う神主や、各種メーカーの担当者(住宅設備メーカー、建材メーカー、照明設備メーカー、内装メーカーなど)、家づくりには、さまざまな職種の人が関わります。

 

協力業者の中でも大工さんの腕は重要です!

 

 

家づくりにおける、建築家、現場監督、協力業者の仕事内容について解説しました。

それぞれの仕事を理解すると、家づくりに対する不安が和らぐかもしれません。

企画から竣工まで、全ての過程を見ることができるのが、家づくりのおもしろさでもあります。

どんな職種の人がどのように関わって進められるのか、家づくりが進んでいく様子を楽しめるとですね。

執筆者

satou_san_2

◆ 執筆者プロフィール ◆
佐藤結伽
2級建築士。
横浜市の総合建設会社にて、主に木造住宅の設計に携わる。
退職後、作図業務等を委託しながら2人娘の育児にも奮闘している。
最近、自邸の建設をし注文住宅を購入する事の素晴らしさと、大変さを身をもって経験した。

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◆現場監督は工事をしない?現場監督と家づくりにかかわる協力業者一覧

現場監督は工事をしない?現場監督と家づくりにかかわる協力業者一覧

 

 

注文住宅の家づくりで、現場監督が、どのような仕事をする人かご存知でしょうか?

家づくりの現場では、たくさんの人が出入りします。

工事に関わる人の種類や仕事内容を知っておくと、家づくりの過程をさらに楽しむことができますよ。

今回は、工事現場で働く現場監督や協力業者の職種、仕事内容について解説します。

家づくりを身近に楽しむための知識として、ご参照ください。

 

現場監督ってなにしてる人?

 

注文住宅の現場で、「現場監督」は「現場代理人」とも呼ばれます。

多くの現場監督は、「施工管理技士」という国家資格を取得しています。(1級・2級がありそれぞれ扱える建物の規模が異なります)

現場監督の仕事はどんなこと?と言うと、文字通り現場の監督で、次のことを行っています。

 

・工程管理…工程表をつくり、工事が期限内に終わるように管理します。

・品質管理…設計図に定められた品質の建物ができるように管理します。

・予算管理…見積書をもとに、予算を組み、適正な利益を生み出せるようにします。

・安全管理…現場やその周辺で事故がおきないように対策をします。また、現場の清掃を行い清潔に保ちます。

・現場の窓口…建設会社の代表となって、現場の近隣住民、設計士、協力業者、各検査機関など、工事が始まってから現場に関わる人からの連絡を受ける窓口になります。円滑に工事が進むようにコミュニケーションをとります。

・追加工事対応…施主からの要望があった際に、設計士の意見を確認し対応します。

・竣工引き渡し…工事完了後、施主へ建物を引き渡す際の各種説明などを行います。

 

工事現場では、現場監督は図面やタブレットを片手に何やらチェックしていたり、写真を撮っていたり、協力業者の質問に答えたり、電話をしていたり、掃除をしていたり…

と実際に工事の作業をすることはありません。(中にはシーリングや棚の取り付けなどの作業をする人もいます)

そのため、なかなかその仕事の重要は見えにくいものです。

ですが、現場監督がいなければ、そもそも工事は始まりませんし、現場に協力業者が来ません。

仮に工事が始まったとしても、その建物の安全性や品質は保証できませんし、予算はオーバーしますし、希望する工期には終わらないでしょう。

さらに、注文住宅を担当する現場監督には、次のことが求められます。

 

・建築や施工管理の知識

・コミュニケーション能力

・清潔感

・さまざまなトラブルへの対応力

・高度な運転テクニック(首都圏は狭い道が多いため)

・段取り力

・細やかな配慮

今日も、注文住宅の現場で活躍する現場監督は、注文住宅の現場に関わるたくさんの人の板挟みになり、工事期間中におこるさまざまな出来事に懸命に対応しています。

 

協力業者ってなにする人?注文住宅に関わる職種一覧

 

協力業者は、実際に手や身体を動かして、工事を行う業者のことです。

注文住宅の工事現場では、工事の種類ごとに、さまざまな協力業者が出入りします。

 

どの協力業者が工事を行うかは、工事の内容や、技術力、予算、スケジュールなどに合わせて施工会社が決めています。

注文住宅の現場に関わる協力業者の種類と、仕事の内容を確認しましょう。

 

  • ・解体工…現場に建物がある場合解体作業を行います
  • ・地質調査会社…現場の地盤の強さを調べ、地盤補強プランを提案します
  • ・地盤改良工…地盤が弱く、改良が必要な際に地盤改良工事を行います
  • ・杭工…地盤が弱く、補強が必要な際に家を支える杭工事を行います
  • ・鳶(とび)…地ならし、掘削、基礎工事、足場架け、棟上げを行います
  • ・墨出し工…現場に基準となる線を記します
  • ・鉄筋工…鉄筋コンクリート造の鉄筋の搬入、組立を行います
  • ・型枠工…鉄筋コンクリート造のコンクリートの型枠を組みます
  • ・大工…木材の加工、軸組の組み立て、建材の設置など木工事の全般を担います
  • ・左官工…各所モルタルなどのならしや、内外装の仕上げを行います
  • ・塗装工…内外装の適所に塗装を施します
  • ・断熱工…断熱材を施工します(断熱材によって専門業者が異なります)
  • ・防水工…ベランダやサッシのすきまなどの防水を行います(塗装工や外装工が行うこともあります)
  • ・外装工…サイディングやスレート屋根など、乾式工法の工事全般を担います(瓦工や板金工を兼務することもあります)
  • ・瓦工…瓦屋根の場合瓦の運搬、施工を行います
  • ・板金工…水切り、各種フード類、金属屋根などの加工や取り付けを行います(外装工や瓦工を兼務することもあります)
  • ・鉄骨工…鉄骨製の階段や柱や手すりなどの加工や取り付けを行います
  • ・ガラス工…窓ガラス、鏡、内装ガラスなどの加工や取り付けを行います(鋼製建具工が兼務することもあります)
  • ・鋼製建具工…アルミサッシやスチールサッシなど金属製の建具の加工や運搬、取り付けを行います
  • ・木製建具工…襖、障子、欄間など、造作建具を作成し、取り付けや調整を行います
  • ・内装工…クロス、CFシート、フロアタイル、ビニールタイル、カーペット、カーテンレール、ピクチャーレール、各種カーテン、スクリーンなどの内装工事の運搬、施工を行います
  • ・住宅設備機器取付け会社…ユニットバスやシステムキッチンなどを取り付けます。住宅設備機器メーカーによって指定された代理店が行います
  • ・畳店…畳の製作と設置を行います
  • ・タイル工…内外装のタイルの加工、設置を行います
  • ・家具工…造り付け家具や棚、カウンターなどの制作、取り付けを行います
  • ・水道設備業者…工事用水の引き込み、水道管の引き込み、給排水設備配管の設置、洗面化粧台や便器や水栓など設備機器の設置、各申請手続きを行います
  • ・電気設備業者…工事用電源の引き込み、電気設備配管・配線、コンセントの設置、照明設備機器の設置、インターネット配線、空調機器の取り付けなどを行います
  • ・ガス設備業者…ガス管引き込み、ガス配管、ガス設備機器取付を行います
  • ・外構工…舗装、ポスト、表札、フェンス、塀、門、デッキ、植栽など
  • ・外回りの工事全般を担います。
  • ・庭師…庭の植栽、庭石や砂利の設置を行います
  • ・石材店…内外装の石材の加工、搬入、設置を行います
  • ・産業廃棄物回収業者…解体~竣工まで工事現場で発生する廃棄物を回収し適切に処理します
  • ・補修工…工事中にできてしまった傷やへこみなどを目立たないように補修します
  • ・クリーニング業者…工事完了後、家の隅々を清掃し、木くずやほこりなどが残らないようにします
  • ・警備員…重機が入る日や、交通整理が必要な日などに現場周辺の安全を確保します
  • ・運送業者…現場でつかわれる資材や物品を搬入します

このように、注文住宅の現場では、解体から竣工まで、多くの業種の人が関わり、技術を持ち寄ってひとつの家が出来上がります。

注文住宅の家づくりでは、全ての過程を見学することができます。

時間が許す際は、現場に足を運んで各協力業者の仕事を見られるといいですね。

 

 

沢山の業者さんが関わって初めて住宅が出来上がります!

 

 

工事現場で働く現場監督や、協力業者の職種、仕事内容について解説しました。

それぞれ仕事の内容は異なりますが、いい家をつくりたい。建て主に満足してもらいたい。という同じ気持ちのもとで仕事を行っています。

注文住宅の家づくりでは、各業者が協力して、工事が進んで行く様子をゼロから見ることができます。

ひとつひとつの過程を楽しみながら、家づくりができるといいですね。

執筆者

satou_san_2

◆ 執筆者プロフィール ◆
佐藤結伽
2級建築士。
横浜市の総合建設会社にて、主に木造住宅の設計に携わる。
退職後、作図業務等を委託しながら2人娘の育児にも奮闘している。
最近、自邸の建設をし注文住宅を購入する事の素晴らしさと、大変さを身をもって経験した。

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